【書評】死体とご遺体(夫婦湯灌師と4000体の出会い)

オプションとしての「湯灌」に見る葬儀ビジネスのこれから

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【書評】死体とご遺体(夫婦湯灌師と4000体の出会い)

 

湯灌という葬儀周辺ビジネスから見て、葬儀業界の裏側を少し覗くことができます。葬儀ビジネスは現在、急激なデフレを経験しています。「直葬」傾向が激しくなり、既存の仏式での葬儀はいっそう減っていると思います。そんななかですが、葬儀社にとっては少しでも、収益を上げるために活用しているのがオプションとしての周辺産業です。

 

湯灌は葬儀社にとって魅力的な「商材」

 

「葬儀社にとって、湯灌は通夜や告別式で構成される葬儀に付加するバリエーションであり、いってみればメニューのひとつである。「二兆円ビジネス」ともいわれ、年々激しさを増す葬儀社相互の競合が生み出した葬儀の多様化の一つと見ることもできるだろう。言葉は悪いが、葬儀にも「トレンド」がある。湯灌と並行するようにして、エンバーミングサービスを積極的にアピールする葬儀社も近年になって増えてきた。」(P15)

 

「葬儀自体が減っているわけではない。だが、葬儀の世界でもバブルはとうの昔にはじけている。五段、六段といった豪華な祭壇の注文は、減る一方なのである。もちろん、花輪の注文なども激減した。私は、そんな業界の推移を思い浮かべつつ、湯灌は葬儀社にとって魅力的な「商材」であるはずという確信をもった。ことに、湯灌部のない葬儀社にあっては、湯灌は手を染めたくても思うに任せない「期待の新商品」なのである。私は営業のポイントをその点に置き、説得につとめた。」(P53)


私は今後この流れは大きくなっていくのではないでしょうか?

 

以前の記事でも書きましたが
遺体修復業としての「湯灌」と「エンバーミング」

 

遺体をきれいな状態にしたい、生前の顔姿に近づけたい、通夜や告別式に耐える状態にしたい。こういう願いには、お金をいくら払っても良いと感じます。これは戒名や、お布施に払う無意味なお金ではないと感じるのです。

 

日本の場合は、99%火葬ですから、すぐに遺体が亡くなってしまうことを考えると、エンバーミングはそれほど普及しない可能性もありますが、数日の間、最長1週間ほど、遺体をきれいな状態で保存する「湯灌」は、これから、大いに活用されるのではないかと考えます。

 

自殺ではないにしても、事故死などで、遺体が損傷することがありますが、出来る限り、自然な生前のカタチに戻してくれるサービスがあるなら私は数十万は惜しまないと思います。すぐに火葬されるにせよ、それが人情です。

 

ちなみに、著者は、湯灌を始めとした葬儀周辺ビジネスの単価も本書の中でバラしてしまっています。

 

湯灌の単価

 

「湯灌は実入りのいい仕事である。遺族が葬儀社に払う湯灌の代金は、十〜十二万円。価格差があるのは仏衣の価格に上下があるせいだが、わたしたちはそこから一定の割合を収入として受け取る。率直に言って、それは魅力的な仕事だった。」(P41)


著者によると、湯灌は遺族が葬儀社に払う際には10〜12万の料金だが、このうち湯灌業者には5〜8万円が入ると言います。同様に、メーク(3〜5万)納棺(1〜2万)に対して、葬儀社が遺族に請求する金額はだいたい「倍」。葬儀関連ビジネスの、利益率が50%というのも頷ける話です。こんな細かなところも、著者は、淡々と描き出しています。

 

ちなみに前述の記事でも少し書きましたが、シンプルなお葬式では湯灌は3万〜4万弱で、ここでもかなりのデフレ化ですが・・・

 

著者の行うサービスのように、遺体の修復などは普通は含まれていないと思いますので今後は、遺体を修復し、綺麗にするサービスなどが、「湯灌」という名称かどうかはわかりませんが、どんどん出てくるのではないか?そのようなパッケージで30万とか、50万とか、ありえるのでは?と思っています。遺族にとっても納得の行く費用ですよね。

 

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参考:直葬・シンプル葬に「湯灌」は必要か?葬儀社からけっこう強引に勧められた例。

 

湯灌の意味を理解すると、直葬・シンプル葬の場合は、特に不要なオプションだと理解できます。しかし、中には遺体の清掃料として必要不可欠だと思わせるようなセールストークをする葬儀社もあるので注意が必要です。

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