【書評】ぼくが葬儀屋さんになった理由 冨安徳久

葬儀社の病院営業の裏話。

このページは、下記書籍の書評の一部です。
【書評】ぼくが葬儀屋さんになった理由 冨安徳久

 

著者は葬儀屋さんとして、病院営業の世界で実績を徐々にあげていきます。

 

転職した後、病院開拓事業本部の責任者になると、指定病院が6件しかなかったにもかかわらず、一年後には27件に増やしています。著者が独立する直前、3年目には52件に増やしていたというのですから驚きます。熱い思いのある葬儀マンの著者ですが、足繁く病院に通いキーマンと親しくなるという、王道のスタイルによって、一社独占体勢だった多くの病院からシェアを奪っていきます。

 

前述しましたが、著者は、一社独占の病院をまわり、挨拶を繰り返し、霊安室を掃除して帰ってきます。ずっと続けているうちに、看護婦さんや婦長さんさんからの評判が高くなり、やがて、信頼を勝ち得て、注文をとるようになっていくのです。このへんは、法人セールスの成功話(ノウハウ)とも見える部分です。

 

本書の中には、葬儀業界の裏側を知る点で興味深い情報があります。

 

著者は、お金や接待での病院営業は一切行わなかったのですが、すでに参入している各社がどのように病院に食い込んでいるのかを、病院で知り合った葬儀屋さんから聞き出しているくだりがあります。

 

著者は18歳で業界に飛び込んだだけあり、経験は海千山千ですが、病院営業の猛者たちには、子どもに見えますので、素直にノウハウを聞きに行くと、みな、ざっくばらんに教えてくれる人もいたそうです。今は常識もだいぶ変わっているのかもしれませんが、当時は、葬儀社と病院の癒着は、なかなかひどいものだったようです。

 

葬儀社と病院の癒着??

 

「あとでわかってきたことだが、基本的には病院営業はカネをつかませることが常識化していた。私は誰にも何も教えられない真っ白な状態で始めたから、自分流でやるほかなかったけれども、同業他社はどういう営業のやり方をしているのか興味津々だった。」(P166)

 

「だいたい紙袋に500万くらいもって理事長室か院長室へ行って、うちでやってくださいと言えば、十件やって一件くらい受け取るな」「あとは一体(死亡退院一件)いくらで交渉すりゃ、うまくいくこともある」「接待づけにしておいてから話に入る。底に入るには、まず個人的な趣味のものをプレゼントするんだ」

 

「彼らはちゃんと計算しているのである。例えば死亡率かけるベッド何台分で葬儀件数の予測が出る。一件で平均150万から200万円になるから、半年で元がとれる、一年で元が取れる。だからここにはこれだけ使えるという計算が成り立つ。」(P168)


一昔前には、病院付きの葬儀社は、高く、有無をいわさず遺体を運ばれ、ぼったくり被害にあったという話は、尽きません。しかし、病院と葬儀社の癒着を考えると、高い投資をして入っているわけだから、とにかく、元をとらないと行けないということで、消費者にしわ寄せが行っている現実を目の当たりにすることができます。葬儀社としては投資をして病院にせっかく入り込んでいるのですから、なんとか収益化しなくてはならず、ときに強引なセールスも行われたようです。

 


Hyena Serengeti / appenz

 

病院では必ず人が死にますから、そこに群がる葬儀社は、ある意味「ハイエナ」のように見えて、私は少し嫌悪感を感じました。(言い方は悪いですが)

 

本書の内容とは少しそれますが、殆どの人が最終的には病院で死ぬために、病院付きの葬儀屋さんにどのように対応するかというのは事前に決めておくべき点です。
これはけっこう大事なポイントになります。(病院に常駐している葬儀屋さんへの対応

 

葬儀屋さんの裏話に目を通すと、ビジネスとしての葬儀の現実をよく知ることができますから、消費者も賢くなければいけないと思い知らされます。

 

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葬儀屋さんと生前打ち合わせをしてみました。



 

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