【書評】葬式は、要らない

戒名不要論

日本の葬式仏教を嘆く人は多いのですが、主な批判は、やはり「戒名」に集中します。読経にしても、供養にしても、そんなに、高額はとることができません。
また、僧侶の「実働」もあります。しかし、戒名となると、いくつかの漢字を選び名前をつけるだけで、収入になるのですから、これは、葬式仏教にとって欠かせない収入源となっています。(ある種のコンテンツ・ビジネスということもできます)500万の戒名をつけたという人もいるようです。

 

しかし、そもそも、戒名とはいったい何なのか?

 

戒名が本来の仏教に沿っていないのは、もはや周知の事実ですが、以前、私が書いた書評でもこの問題に切り込んだ良書がありました。(葬式に坊主は不要と釈迦は言った

 

そもそも、在家の信者に戒名が与えられるということが不可思議で、なおかつ、死んだからといって、出家したわけではないというのはよくわかります。で、あれば、こうした「事実」が明るみに出れば、戒名を付ける人が少なくなるのかというと、必ずしもそうではないわけです。

 

著者の指摘によれば、戒名とは「勲章」なのです。

 

 

この読みは鋭いと思います、下記の引用を御覧ください。

 

 

「院号がインフレ化し、戒名料が高騰するのも、戒名の本質が、死後の勲章だからである。勲章なら、できるだけ立派で、見栄えのいいものがいい。そうした見栄や名誉欲が、戒名問題の背景にある。そして、立派な戒名が、葬式を贅沢なものにしていくのである。」(P119)

 

「死後に与えられる一般人の戒名には、その人間が俗世間で果たした功績が反映されている。その点で、戒名は死後に与えられる勲章であるとも言える。そのために、戒名を見ただけで、故人がどういう人間だったのかわかるようになっているわけである。」(P116)


有名人の戒名がいくつも挙げられていますが、死後の名前というより、その人物のこれまでの生涯を讃えたい!というような気持ちの現れが戒名と見たほうが、しっくり来ます。

 

たとえば、

 

石ノ森章太郎は、石森院漫徳章現居士 
映明院殿鉱國慈愛大居士 黒澤明

 

であり、仏教の教えというより故人がどんな人だったかが分かるような称号となっているということです。院号がつくとランクが高くなり、高額になるのは言うまでも無いこと。
戒名を死後の勲章を考えるときに、葬式を遺族や家族のセレモニーとみなせばこれを、撤廃する流れがなかなか、進まないのも頷けます。

 

「葬式は贅沢」
「葬式は見栄と世間体」

 

この点、まさに、著者の言うとおりに感じます。これは皮肉なのかもしれませんが、この本の中で、著者は、各宗派ごとに戒名を自作する方法を説明しています。その後、こんな本も出しています。

 

 

戒名は自分でつける系の本も、いまやたくさん出ていますね。僧侶に授けてもらわずに、自分でドカ〜〜ンとりっぱな戒名をつければそれで良いのかもしれない、ということですね。

 

(笑)

 

それで、いいのか?仏教!

 

・・・と問い詰めたい気分です。

 

ところで、

 

著者によれば、戒名は、檀家であることの証なので、もし寺に墓が無いなら(僧侶に供養してもらうことが不要であり)そもそも戒名を授かる必要事態が無いということなのです。少々長いですが、引用させてください。

 

 

「墓が寺になければ、葬式をどういった形式であげようともかまわない。無宗教式で葬式をあげることもできるし、僧侶を呼ぶ必要もない。戒名だって授かる必要はない。自由度ははるかに高くなる。」(P153)

 

「(戒名は)特定の寺に檀家として葬られる際に与えられる死後の名前と考えるほうが現実に則している。逆に、寺の檀家にならないのであれば、あるいは寺の墓地に埋葬されないのであれば、戒名など必要はない。したがって。葬祭業者に紹介してもらった、その場限りの関係の僧侶に戒名を授けて貰う必要はない。」(P162)

 

「戒名料の相場は存在するが、その相場も寺檀関係が成り立っていることが前提である。ランクの高い戒名は、その寺の檀家として寺に十分な貢献をする意志があることの表明であり、だからこそかなりの額を布施するわけである。」(P163)


としますと、最近、流行の安い葬式、安い戒名も・・・実は、全く不要ということになります。そもそも、寺に墓地を求めない、檀家になっているわけではないなら、戒名自体不要という指摘です。

 

これは!

 

晴天の霹靂。

 

そもそも、戒名は「贅沢」であった、檀家は「贅沢」であった、こういうことが白日のもとにさらされます。戒名にしろ、葬式にしろ、その行為の意味をしっかり悟る、起源や由来から悟ることは非常に重要なことですね。

 

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