【書評】葬式プランナーまどかのお弔いファイル(奥山 晶子)

【書評】葬式プランナーまどかのお弔いファイル(奥山 晶子)

葬式プランナーまどかのお弔いファイル

 

プロローグ ちょっと待ってて葬ー予期してなくてもなんとかなる/第1話 D.I.Y葬ー葬儀屋ナシでもなんとかなる/第2話 スタンバイ葬ー生きているうちに、なんとかする/第3話 直葬ーふつうじゃなくてもなんとかなる/第4話 アフター葬ーお骨と離れがたくてもなんとかなる/第5話 ザ・社葬ーとことん凝ってもなんとかなる/第6話 ささやか葬ーお金がなくてもなんとかなる/第7話 ヒロイン葬ーわがまますぎてもなんとかなる/エピローグ つながり葬ーとにかく何もわからなくてもなんとかなる

 

元葬儀社につとめていた著者は現在、葬儀ライターとして、出版社に勤務しています。ある程度葬儀業界の実態がわかっており、葬儀について適切な記事をかける人はこの時代のブームの折に重宝されるかもしれませんね。葬儀の世界でやり甲斐を見出し、とことんまで葬儀にのめり込む人と、一歩下がって、葬儀を一般人の目から解説していくようなポジションに付く人と、いろいろいるのが面白いですね。

 

著者は、葬儀社に勤め始めた頃に、結婚式と葬儀というのは非常に似ているということに気がついたようです。ほとんど同じようなイベントなのに・・結婚式は半年かかって準備して、お葬式は3日で全部をすませる。どうしてなんだろう?という思いを強く感じたようです。

 

 

「急な不幸でも、一日中思いきり泣いて暮らすようなことは、喪主には許されません。どんどん人が集まってきます。いろんなことをすぐに決めろと急かされます。かといって、自分のいいように決めようとすれば親戚から大量のダメが出されます。やることが多すぎて、当然徹夜です。三日三晩殆ど寝ずに、葬儀本番に倒れる令夫人を何人も見てきました。どうして大事な人を見送るのにこんなにボロボロにならなければいけないのか?そんな目に会うなんて理不尽すぎる!といつも叫びだしそうでした。
みんな「お葬式は忙しい」という固定観念にとらわれているだけなのではないでしょうか。」(P4)


その疑問提起が、今も、葬儀に関して深く掘り下げて情報を発信する著者の姿勢となっています。

 

 

さて、この本は、章ごとのストーリー仕立てで、さまざまなバリエーションのお葬式が紹介されていきます。その中で発生する人間模様や、現実の問題を上手に描写していきます。私もこのサイトの中で、これまで何度か、扱ってきたようなテーマが新鮮に語られているので面白く読んでいました。

 

たとえば、

 

第一話の「DIY葬-葬儀屋ナシでもなんとかなる」では、親父が「絶対葬儀屋を関わらせるな」と生前に頼み、それを叶えようとする若者が四苦八苦する様子が描かれています。死んだら必ずやることリストなど、知っておくとためになる情報が満載です。実際に自分でも出来る部分を色々知ることで、何をカットできるのか、何を安くできるのか?など融通が聞くようになりますので、知識として知っておきたい部分ですね。(参考:葬儀屋なしで葬儀を行うことは可能か

 

第三話の「直葬-ふつうじゃなくてもなんとかなる」の中では、単に直葬のメリットを謳うのではなく、直葬後に実際に生じる問題、たとえば弔問客がひきもきらずに訪れて、遺族が疲れきってしまうなど、現実にも踏み込んでいます。直葬のデメリットも見える形で明らかにしているのは、大切なことだと思いました。具体的ではない「直葬推進論」も非常に多いですから。(参考:密葬にしたところ、自宅へ弔問客が次々と来てしまった

 

実際に遺族が経験する悩み、現実に寄り添う姿勢が本書を読みやすくしています。

 

また、生前予約を「スタンバイ葬」、お金がまったくない場合の葬式を「ささやか葬」、自分で自分の葬儀を計画する「ヒロイン葬」など、おもしろい表現で彩っていきます。今まで、葬式というと、仏教用語ばかりで堅苦しく感じましたが、この本を読むと、お葬式もいろいろ融通をきかせながら、自分や家族にとって本当に納得の行くイベントにして言って良いのだということがわかってきます。

 

 

肩の力を抜いて自由な形式でのお葬式を考える人にオススメです。

 

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実際に葬儀社を訪問して、打ち合わせをしておく際に、いろいろと確かめられる点があります。著者は豊富な経験を活かして、チェックリストをあげています。葬儀社の目利きになるチェックリスト□疑問に迅速に対応してくれるか□悩みを先取りしてくれるか□単品の定価があるか□ホールは事務所本社が近くか□役職者が担当してくれるかこのリストの中でも、とりわけ興味深いなと思った点があります。