【書評】「葬儀」という仕事(小林和登)

「湯灌」は勧めない?

このページは下記書評の一部です
「葬儀」という仕事

 

このサイトでも以前に書評した(死体とご遺体(夫婦湯灌師))で私は「湯灌」という葬儀周辺ビジネスを初めて知りました。とりわけ前述の本は、遺体の修復などに強みのある湯灌師の本でした。さて、本書の著者は、湯灌はあまり勧めていないそうです。

 

湯灌は薦めない

 

「湯灌を依頼された遺族の方たちには、遺体が本当にきれいになったと評判がとてもいいのです。しかし、私は打ちあわせの席でもあまり積極的に湯灌をすすめることはありません。・・・なぜかというと、衛生面から見たときに遺体にお湯をつけることはあまりよくない、という話を聞いているからです。人間は死んだ瞬間から腐敗がはじまります。腐るということは、さまざまな雑菌が増殖していくということなのです。私たちは、葬儀が終わるまで、なんとか遺体をきれいなままで保ているようにドライアイスをいれたりして腐敗を遅らせようとします。お湯につけて湯灌をするというのは腐敗を進めているのも同じなのです。」(P136)

 

「しかし、親族の方たちの惜別の情を思うと、なかなかそういうことは言い出せません。・・・親族の方が、最後に気持よく湯につけて身体を清め送りたいとおっしゃるのなら、その気持を優先するしかありません。衛生面のことだけいえば、看護師さんがやってくれる清拭で充分に遺体はきれいになっているのです。」(P137)


 

現実的に言えば、看護師の行う「清拭」で、湯灌は必要ないのだとか。ただ、遺族感情からいうと、遺体を清める儀式としての湯灌は、今、また少しずつブームになっています。葬儀業者から見ると必ずしも、必要とはされていないというのが興味深く感じました。

 

ただ、これは遺体の入浴サービスとしての「湯灌」であって、前述の書籍の著者のように遺体修復業に関しては一定の価値があると著者は考えているようでした。以下はエンバーミングに関する指摘です。実は、私もエンバーミングには多少なりとも関心を持っています。著者と同じように、日本でこれがどこまで普及するかは謎なのですが、もし可能だったら、こうした手法を用いていく人が増えたらいいなぁと思ったりします。

 

エンバーミングの可能性と課題

 

「しみじみと長い期間をかけて故人とお別れしたい、夏の暑い時期に火葬場の予約がいっぱいで4,5日ほど遺体を安置しておかねばならないなどというときには、エンバーミングは考えてもいい技術だと思っています。ただ一つ難点を言えば、まだまだ日本では料金が高いということです。だいたい10万円〜20万円くらいかかります。日本であまりエンバーミングが普及しないのは、この料金の高さがあるからかもしれません。日本では遺体を焼き、骨にして埋葬します。せっかくエンバーミングをしても火葬にするまでの間のことになってしまうのです。しかし、その期間だけでもいいから遺体を美しくしておきたいと考えるかどうかは、遺族の方たちの価値観の問題になってきます。」(P140


 

壇蜜さん(タレント)もエンバーミングの専門学校に通ったというのを、少し前、ソナエという雑誌で読みましたが、若い人にも少しずつこの価値観が広がりつつあるかもしれません。私は、儀式としての湯灌は特に必要としませんが、遺体を修復したり、保管したりする技術は、日本の葬儀業界にもっと広まっても良いのではないかと思っています。とくに、エンバーミングは、行えば、保管期間を充分に伸ばせるため、葬儀を余裕をもって行えるという大きなメリットがあります。

 

ここだけは、何でもシンプル、安いのが良いとは考えていない、わずかなポイントです。(私の葬式では、湯灌もエンバーミングも不要ですけどね、妻の葬式ならそうするかも)

 

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