とにかく葬儀屋は「儲かる」

とにかく葬儀屋は「儲かる」仕事

このページは下記書評の一部です
「葬儀」という仕事

 

この本の特徴となっているのは、著者の「正直」な姿勢です。

 

もともと、著者が葬儀屋に入社したのは、時給が高いからであり、それ以外の理由は、極論を言えば何もありません。だからこそ、入社してから数十年は、ひたすら、高い給料を稼ぐことにモチベーションがあったようです。これは事実だと思いますし、この辺を嘘偽り無く書き記しているのは、なんだかんだ著者の魅力だと思います。

 

葬儀社は辞められない

 

「高校時代の同級生たちと比べても、25歳前後で月収が100万円を越えるというのは信じられないことでした。偶然ながら、それができる場所にいるのだから、稼げるだけ稼いでやろうと思ったのです。」(P64)

 

「会社からの給料のほかに、葬儀の最中に、お客さんからのチップもけっこう入ってきました。そのチップだけで生活が成り立ち、月給やボーナスはそのまま貯蓄できるのでした。そのうえ遺族の方たちからは感謝されるのです。やっぱり葬儀社は辞められないな、と心底から思いました。」(P86)


著者は、一時期、警察署から紹介される遺体を扱ううちに、ノイローゼ寸前になり、葬儀社を退職します。自殺死体・変死体・水死死体などの処理は、相当にストレスが大きかったようです。一度はトラックのドライバーに転職しますが、葬儀マンの収入の高さに惹かれ、戻ってきます。わりとそのようなルートをたどる人は多いようです。下品な言い方ではありますが、「葬儀社は辞められない」と思うほど美味しい職業のようです。

 

ただ、先日読んだ「葬儀のコツ」という本の中では、地元葬儀社の3代目の本ですが、葬儀業界が儲かるなんて眉唾というようなことが書いています。家系は火の車で、ほとんど儲かっていなかったと言います。

 

 

こうした情報を総合すると、大手の葬儀屋さんは羽振りよく稼いでいるものの、地元に密着した葬儀屋さんは、それほど稼げるわけではないのでしょう。

 

著者によると、病院や警察署と連携している大手の葬儀屋は、それだけで、いわば遺体が次から次へと入ってきますので、充分にやっていけるのだとか。だからこそ、そのパイプをつかむために必死で営業し、時には接待や寄付を行うのだそうです。その分が、葬儀の費用の高額化として顧客に跳ね返ってくるわけです。

 

と、すると、大手の葬儀屋さんのほうが、経営や人件費にも大いにお金をかけているので、一般的に葬儀費用は高くなると考えたほうが良いのかもしれません。

 

ちなみに、今から10年、20年前になると思いますが、著者の月給から葬儀マンがどれほど潤う職業なのかを垣間見ることができます。

 

基本給+歩合で月収200万も可能

 

「私が入社した当時、基本給が30万円で、歩合は100人規模の葬儀で20万円でした。さらに200人、300人と会葬者の数が増え葬儀の規模が大きくなるにつれて歩合は倍々に増えていきます。稼ぐ人は月に200万くらいの手取り額になるのです。」(P62)

 

「W式典では、基本給プラス歩合という方式で給料が支払われていたのです。だから、社員の勢いというか、士気が違っていました。言葉は悪いかもしれませんが、いってみれば遺体の取り合いをしているという感じです。自分が電話に出て、遺体を引き取りに行くと、その仕事はその人の差配ということになるのです。それが結果的に、たとえば会葬者が100人くらいの普通の葬儀につながっていくとすると、その歩合だけでも大変な金額が入ってきます。・・・一つでも仕事を見つけるとさまざまなセールストークをつかって葬家に会葬者の数を多く見積もらせ、祭壇をより大きなものにするように巧みに持っていくのです」(P61)


月200万稼げる仕事というのはなかなか無いですが、葬儀マンが、一般的には嫌われながらも(偏見)、一度つくとその業界を抜ける人があまりいないのも頷けます。匹敵するとしたら保険業界くらいなものですね。しかし、保険が必死で営業しなければならないのに対し、葬儀の場合は、いわば遺体が落ちてくる場所に控えているだけで、高給をとれるわけですから、よほど美味しいわけです。蜘蛛の巣営業というわけですね。人は必ず死にますからね。

 

巷では葬儀会社への不満・批判なども非常に多くあります。ボッタクリ葬儀に関する被害なども大いに謳われるようになりました。どうして、この種の問題が多いのかが私はわかりかねていましたが、本書を読んでその疑問も氷解しました。

 

端的に言えば、葬儀マンの月給が一部「歩合制」になっているからなのです。

 

自分の給料に反映されるとなれば、人はがめつくなったり、猛烈な営業をしたりしますよね。保険のセールスもそうですし、強引な新聞勧誘などもそうですが、諸悪の根源は「歩合」です。葬儀屋(特に大手でしょう)には、歩合制度があるわけです。そうなると、多少、強引な営業なども、行われる理由がわかります。過去に著者が行ってきたセールスの数々は、ちょっと引いちゃうくらいの「悪質さ」です。

 

著者は自分の葬儀屋さんを立ち上げた時には、供花祭壇という廉価に祭壇を準備できるシステムを組み込み、同時に、業者への心づけもすっかり辞めたと述べています。心づけを辞めたことで、いくらか苦情も出たとのこことですが、そもそも心づけ制度というものが、葬儀業界では一般的だというのに驚きました。これは著者の話ではありませんが、先輩の中には、心づけを一人1万円出してもらい、実際に渡すのは3000円くらいにして、荒稼ぎをしていたという人の例が載せられています。ただでさえ、不透明な価格と高額な費用がかかるわけですが、心づけなど、日本には定着していないチップ制度まで持ち込まれるわけです。儲かるはずです。

 

葬儀社が基本的に儲かっているのは、破格の利益率があるからです。

 

葬儀の利益は50%を越えると言われています。私はもと、小売(事務用品)でしたから、この凄さがわかりますが、私は平均20%いかないくらいの利益率でしたし、ネット通販に参入した際には利益率6%でした・・(涙)お葬式利益50%、この脅威の利益率をたたき出すには、お葬式の備品などのカラクリがあるわけです。

 

ある意味で、お葬式はサービス業+レンタル業のようなものです。

 

破格の利益率

 

「葬儀社は「月に1件葬儀があれば生活でき、二軒あれば貯金できる。三軒もあれば、家族で豪華な旅行ができる」といわれる業界なのです。前章で「葬儀屋さんはうらやましい。祭壇や白黒の幕など何度でも使いまわせる道具がいっぱいあっていいよね」という石材店の言葉を紹介しましたが、これは本当のことで、祭壇をはじめ焼香用の香炉といった葬具、幕、テントなどは何度でも使い回しができるのです。・・・何度でも使い回しができ、ほかのところからレンタルしたものをつかっても、それなりの価格を請求できるというのが葬儀業界の不思議なところです。」(P155)


著者は、お墓を作る石材屋さんに、「原価が0円の石」で儲けて良いね!と、嫌味を言ったときに、「お宅は祭壇を使いまわせていいね」と言われたという話を載せています。考えてみると、使い回しができる祭壇に数百万をかけるというのもすごい話です。一回の葬儀で、そのために作成した豪華祭壇に数百万なら納得もできるかもしれませんが、その祭壇は、何度も使うわけです。そうなると、数回目からの貸出はすべて利益ですから、これは儲かるわけです。

 

ちなみに、葬祭用具専門のレンタル屋さんもいるそうで、電話一本で葬儀屋さんができるとも言われています。

 

現在、葬儀業界には深刻なデフレが襲っているとのことですが、ようやく市場がまともな価格を選択しはじめているのでは無いでしょうか?宗教と商業が結びついた時のボッタクリには本当に辟易するものがありますね。

 

このサイトでは、私は直葬を推奨していますが、どれだけ費用を見積もっても、20万〜30万以上かけて葬儀をやる意味を、私はほとんど見いだせないでいます。内幕を知ってしまうとなおさらですね。

 

あわせて読みたい

葬儀屋さんと生前打ち合わせをしてみました。



 

これは、私の考えですが、葬式は儀礼を一切取り去り、
出来る限り「シンプル」にしたいと思っています。
私が実際に打ち合わせ、生前見積もりをした葬儀屋さんを
ご紹介いたします。メールのみでのやりとりも可能です。




直葬・火葬式可能なシンプルなお葬式プランが安い(資料請求)



スポンサードリンク

関連ページ

まるで悪徳業者?葬儀屋さんの手口
自身のセールストークなど、葬儀業で高給をとっていた時のことを、正直に述べています。厳密に言えば、詐欺ではないかもしれませんが、誠実とは言えない手法です。
悪徳業者の葬儀屋を見分ける3つのポイント
葬儀屋さんの中には、大いにぼったくる悪徳な葬儀屋さんがあります。見分けるための3つのポイントを元現役葬儀マンが明かします。
葬儀屋さんの病院営業の実態
大手の葬儀屋さんほど、病院、警察としっかりパイプを持っていますが、内部からその仕組を見た人だけの指摘と言えるでしょう。
「湯灌」はは勧めない?
著者は「湯灌」には、あまり好意的ではないようです。湯灌が遺体を傷ませてしまうからだそうですが、エンバーミングに関しては評価しています。