【書評】ぼうず丸もうけのカラクリ

お布施と戒名が高額な理由

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【書評】ぼうず丸もうけのカラクリ(ショーエンK)

 

 

お葬式が高額になってしまう理由は、火葬や葬儀の料金ではありません。主に、儀式部分にかかる費用(接待費・返礼品)、そして仏式で行う場合のお布施や戒名にかかる高額な費用です。島田氏の「葬式は、要らない」がベストセラーになってから、葬式批判本が多くなっていますが、多くは、葬式仏教・とくに高額なお布施批判です。

 

著者は、住職の立場から、なぜお布施が高額なのかかを説いていきますが、日本人の気質を考えると、これは理解できるなと感じました。

 

略して、「お布施理論」だそうです。

 

お布施が高額な理由(お布施理論)

 

「お布施の金額は、「需要と供給」で決まるわけではないんです。・・・男女の平均寿命の差は約7歳あります。ということは、年の差が離れていない夫婦なら10年以内に次のお葬式を迎えることになります。ある喪主の方は「前回のじいちゃんのときよりお布施が少ないのはみっともないから、今回のときもあのときと同じ金額をおさめます。」と話していました。不況でもお布施の金額が下がらないのは、喪主の方のこのような「複雑な気持ち」も含まれていたんです。・・・このような自尊心や信仰心によって、「お布施」は直接、不況の影響を受けません。」(P27)

 

「お経の長さや、木魚をポコポコとたたく労働量で決まるわけではなく、えらい坊さんにはたくさん出すのがふつうであり、金持ちもたくさん出さないと格好がつかない」というのが「お布施理論」です。」(P43)

 

「この25年で、30万円以下のお布施の割合が減って、50万円以上の割合が増えているそうですね。バブルが弾けた後も上がり続けています。・・・その理由とは、【日本人特有の、「恥ずかしい思いをしたくないから」という気持ち】。全員が「平均より少しだけ上」を目指したら・・・当然、平均値は上がり続けます。ここに「足並みを揃える国民性」を見ることができます。お寺も、寄付やお布施については、この国民性に支えられている部分を見ることができます。」(P182-183)


お布施は、本来的(仏教の考えでは)には値段があるようなものではありません。感謝の気持ちから、また、自分自身の徳を積むために、お金を喜んで捨てるひとつの修行の形なのです。それを考えると、日本のお布施事情には疑問を感じます。

 

日本のお布施事情は、多く「見栄」と「世間体」に縛られています。隣近所が、会社の上司、部下、横一列がどれくらいの価格を出しているのかそれを見ながら、少し上、少し上を払うために、どんどんお布施の平均額が上がっているといいます。日本人は「松竹梅」というランクがあれば、「梅」ではなく「松」を選ぶと言うジョークもあります。本来は宗教的行為のはずの、お布施がこのように形骸化していることを残念に思わないのでしょうか。と、私は問いたいと思います。

 

もちろん、この状況は変わりつつあると感じています。日本人にとっての「世間」が、葬式仏教への風当たりを強くし始め高いお布施を払うのが馬鹿らしい、そう考える人が増えています。そうなると、横並びで「みんなのいうことに合わせる」のも日本人的です。一気に、仏式の葬儀が減り、直葬が増えている背景には、このようなことが影響しているのではないかと私は考えています。

 

これも、見栄と世間体の成す方向性だとすると悲しいですが。

 

お布施への苦情の背景

 

「しかし、信仰を持たない人たちからも、同じく高額なお布施を納めてもらうとなると、「苦情の声」が出ます。これが「お布施への批判」の本質ではないでしょうか。」(P43)

 

「お寺に多大なる貢献をする、ということは、それだけ「信仰があつい」ということ。「○○院」という戒名は、信仰があつい人に贈られる「宗教的な勲章」のようなものです。だから信者さんにとっては、「大変ありがたいもの」とされている一方、信者さんでない人にとっては「高い!」と感じるのです。」(P178)


現実的には、仏教は日本においてもう虫の息では無いでしょうか?本当に信仰心からお布施をする人。高額のお布施でお寺を支えたいという気持ちの檀家がいるのか?というのは甚だ疑問に感じる点でもあります。

 

戒名が、「檀家の贅沢」だという島田氏の仏教論は正しいようです。これを意識して、つまり、信仰心ゆえに行っていないとしたら不満が募るのもわかりますが、そもそもが「見栄」ゆえにお布施をするその精神構造が貧しい、間違っている、そのことを知らなければなりませんね。この点は、仏教批判というよりも、何も考えずに、仏教・寺を批判する檀家(信徒)への批判ともとることができますし、私も同意できる点でした。

 

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