消費者が選択するようになった「直葬」

消費者が選択するようになった「直葬」

イベント化した葬儀からの脱却

 

「世間体もあるということで、故郷の父母の葬儀を「従来の方法」でやったとしても、葬儀社が中心となって心に響くことのない決まりきった葬儀になりがちです。住職はお経の読み屋で終わる形式的でイベント化した葬儀にしか見えないのです。それを経験した子どもたちが、自分たちのそれは、このようなやり方ではない方法でやろうと思い始めたのでした。」(P42)

 

「40数年を経て高齢化した子供たちは自分たちが現役出会った頃の仲間達やその親達の義理で行われた派手で空疎な葬儀の反省からも、そして自分の数少ない子供たちに迷惑をかけたくない心情からも、直葬へ、無宗教葬へ、せめて近い親族のみで行う家族葬へと走らせていったものと思われるのです。」(P43)


 

著者は、そうなれば、実家の父母が死ぬときにも大々的にムラで葬儀を行うよりも都会に出た子供たちに迷惑をかけまいとする風潮が生まれ、どちらかというと家族葬のようなスタイルが増えてきたのだと指摘しています。

 

宗教学者の島田氏が指摘するように、都市化やムラ社会が失われたことにより都会に出てきた人々は、寺檀制度に戻ることがありませんでした。その辺は、この本に詳しいです。

 

 

また、宗教心を失った世代にとっては、もはや、葬儀はひとつのイベントに過ぎず、そこに多額の金銭を費やすのがナンセンスとなっていると言えます。いや、単に「高額の費用をかけて行わなくても良い」というより、「行いたくない」という強い意思を感じます。今、団塊の世代と呼ばれる人の多くが、豪華な葬式ではなく、出来る限り、シンプルな葬式を望むようになっています。

 

どこまでも、費用を出し渋るけちな世代というより、必要のないもの、不要なものにはお金をかけないという人びとです。合理的な思考をつきつめて考えるなら、どうしてもこの観点にたどり着きますし、それを防ぐものは無いでしょう。著者は、仏教界の堕落、形骸化を嘆きながらも、葬儀に関しては「直葬」を支持しているように感じます。

 

直葬は究極の家族葬

 

「直葬の最もシンプルな形としては、病院→自宅または業者の遺体安置所→家族のみの通夜→翌日出棺→炉前で家族による最後の別れ→荼毘→収骨(骨あげ)→葬式終了となります。」(P27)

 

「直葬は、家族だけで弔うという点では簡略化した究極の「家族葬」ともいえます。このことを反映してか、経済的な理由ではなくゆとりのある人たちも直葬を選択し始めたのも最近の傾向です。・・・直葬は、多少の費用を追加していけば、希望に沿った形を自由自在に実現できる点で個人の好みに合った葬儀選びに最も向いているといえるからです。」(P92)


 

宗教儀式としてではなく、サービスとして考えた時の葬儀の形式として、もっともシンプルなのは、直葬という形です。上記の手順で分かるように、直葬は儀式を一切排除して、ただ遺体をどう処理するかということに関する最も基本的な手順だからです。

 

著者が指摘するように、

 

直葬という基本に家族として本当にしたいことを、
オプションの形で追加しながら自分たちの望む葬式の形を作っていくのが、
これからの葬儀の基本形となっていくのでは無いでしょうか。

 

私も、生前見積もりをして、葬儀社と打ち合わせをしていますが、もっとも安いプランを出してもらいました(14万8千円でした)、大方のことは、このプランの中で収まる感じがしました。もっとも、遺体を自宅に安置できない場合、オプションで斎場を1泊借りることになりますが、その場合追加5万円でしたので、20万〜30万で、自分の望む葬儀が行えるというのを私も確認しています。

 

これを確認できただけでも、こころが休まります。葬儀のために、何百万も積み立てる必要など全く無いことが分かるからです。

 

つまるところ、参列者も、遺族も、故人も誰も望んでいないのに、高額な費用をかけて、宗教的にも意味のない仏式葬儀を行う意味はすでに誰にとっても無いということです。(寺院、僧侶にとっては経済的な意味で、意味が大アリですが・・・)

 

小まとめ

宗教儀式を廃したサービスとして考えた時の、葬儀の形態は、究極的には「直葬」にたどり着きます。これはもっともシンプルな形ですから家族があとは話し合い理想的な葬儀のスタイルを作っていけば、それはそれで良いのです。

 

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