【書評】葬式にお坊さんは要らない―日本の葬式はなぜ世界で一番高いのか

葬式にお坊さんは要らない―日本の葬式はなぜ世界で一番高いのか

葬式にお坊さんは要らない―日本の葬式はなぜ世界で一番高いのか (日文新書 64)

 

目次

第1章 変わりゆく葬儀
第2章 直葬の拡大は止まらない
第3章 現代の葬儀、その内容と費用
第4章 仏教の行事化と「偽の法度」
第5章 葬儀はなんのため?仏教の教えとは?
第6章 お坊さんは本当に必要か

 

葬式仏教を揶揄する本は多いのですが、第三者的観点から葬儀業界や仏教界を見る著者の視点は興味深かかったためにこの本を手に取りました。

 

著者は、「霊園情報」の元編集責任者で、葬儀業界や仏教の教え・歴史に関しても大変理解の深い方です。立場としては第三者的な観点ではありますが、心のあり方や宗教的な指導をできない仏教界を嘆いています。それと共に、もはやとどめようもない、シンプルな葬儀化(とくに直葬)に関する洞察が、本書の主な論点となっています。

 

個人的には、仏教が、葬式仏教になっていってしまう過程での、日本史の読み解き方は、大変興味深く感じました。これまでも複数の書籍を読む中で、一応歴史は知っていたのですが、とりわけ徳川幕府が仏教の力を弱めるために、檀家制度を導入したこと。政治が宗教を掌握し、金銭的な対価を与えながら、その力を弱めてしまうことなど、よく実感出来ました。寺檀制度を作った崇伝の戦略なども興味深く感じました。

 

さて、この書評ではとりわけ「直葬」という新しい(もう新しくないかな)葬儀と、その葬儀形態が生まれる下地になった背景など、著者のコメントを引用しながら、私なりの見解を述べて行きたいと思います。

 

ヨシ・ノリハラの感想

 

 

イオンの葬儀ビジネスへの参入をきっかけにしながら、葬儀と宗教とのつながり、基盤が弱まった仏教の現状を率直に指摘している、著者の姿に好感を持ちました。著者は、仏教そのものに関しては、擁護者の立場をとっていると思うのですが、このままの仏教が存続するはずがないという危惧も言い表しています。当然の時代の流れがそこにあります。

 

私は特に仏教徒ではないので、お葬式は合理的に、またはシンプルにしたいと強く願っていますので、著者のアドバイスは役に立ちました。サービス業としての葬儀を選ぶのであれば、その選び方の指南書があって当然です。これまで不問律とされてきたこと、葬儀はこうあるべき、とされていたこと。必ずしもそうすべきだということがないのであれば、何も無理して仏式で葬儀をする必然性はありません。

 

私も著者と同じように、直葬(この言い方がどれほど普及するかわかりませんが)を基本にして、あとは家族が、主導権をとって、自分たちの望む葬儀を実現することこそ、相応しいことだと感じています。「ボクのお葬式はこうしてほしいの中で、私がプランニングしてきたことが、大筋で識者の意見と一致していることに、満足していたりします!


 

葬式にお坊さんは要らない―日本の葬式はなぜ世界で一番高いのか (日文新書 64)
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