お別れは生きているうちに

お別れは生きているうちに

このページは下記書評の一部です。
【実録】一円も使わない終活 がん告知から直葬

 

がんと告知されてから、亡くなるまでの期間は404日だったそうです。いわば、この期間は、ゆっくりとですが、死に向かって夫婦で準備をしていく期間に充てられました。十分に準備をし、お別れを重ねたら、ある意味で「未練」は残らないのではないかと思わせられます。本書は、治療費や葬儀の「費用」に焦点が合わされており、感情的な描写はとても少ないのですが「別れ」に関するコメントの中には、ひとつの達観を見ます。

 

こう言うとなんですが、がんで死ぬというのも必ずしも「最悪な死に方」では無いということもわかります。

 

 

正面から死と向き合う

 

「死ぬならがんで死にたい、という医師が多いという。がんによる死は、突然背後からやってくる死ではなく、ゆっくり前から近づいてくる。だから、死の準備や家族、友人との別れをていねいにできる。さらに、緩和技術の進歩によって、今では末期がん特有の壮絶な痛みからも開放され、安らかな死が迎えられる-職業柄、こうした周辺事情に詳しいから、医師はがんによる死を望むのだと思う。・・・夫の判断能力が怪しくなり、自分の意志を明確に伝達できなくなる日がやがてくる。その前に葬儀をどうするか、夫婦で話し合う。」(P63)


人はだれでも死ぬわけだから、その時を、よく準備して逝けるなら、それはひとつの理想なのかもしれないと思わせられます。友人に大動脈解離で突然死したものがいますが、奥さんの衝撃たるや、なかったし。お別れも何もできなかったし。それはとても苦しいことでした。しょうがないんだけど。それなら、正面から迫ってくる病魔を見据えながら、計画を立てつつそれに対処していくほうが良いのではないかと感じます。でも、ガンで死ぬのは嫌だな〜と思ったりしますけど。

 

葬式にて、どう「見送るか」「お別れ」するかを問われることがありますが、むしろ、生きている時のお別れのほうがよほど大事ではないでしょうか。生きているうちに、お別れができれば、葬儀をゴウセイにして、お別れをする必要はまったくないという、ごくごくシンプルな事実に気付かされます。

 

お別れは生きているうちに

 

「ベッドからまだ起き上がれるときに、2人の兄と姉に順番に自宅に来てもらい、「感謝の手紙」を手渡してお別れをした。直葬にすること、延命措置はしないことを、夫の口から説明してもらう。通夜、告別式をしない場合、親戚から「苦言」が出るかもしれないからだ。兄や姉は「それでいいよ」と理解してくれた。夫には兄や姉を玄関まで見送る体力はなく、応接間で椅子に座ったまま「では、これで」といった。生きているうちに有意義なお別れができた、と夫は満足気だった」(P65)

 

「夫はヒヨコのような目をしてウトウト眠ったりもするが、終始、上機嫌でよいお別れができた、と帰る車中で感じた。臨終が近くなると、病人はほぼ眠ったままで、最期の言葉などしゃべれない。だから、まだ意識のあるうちに、しっかりお別れをしておくべきだ。今日、それができた。」(P98)


私は叔父が亡くなったときに、同じように、生きているうちにお別れをしました。叔父は末期がんでしたが、最期は、食べると調子が悪くなるからという理由で、一切食べていなかったですし、点滴も拒否していました。だから1週間が経過した時には、だんだん眠っている時間が長くなり、もうあと少しで逝くというのがわかりました。だからこそ、病室でしっかりお別れができました。旅立ちでも、卒業でも、いつかはどこかで、誰もがお別れしなければならないわけだから、それが死別でも離別でも同じことです。きちんと向かい合って、お別れできれば、その後に、故人に囚われて生きる必要など無いということを思い起こせます。

 

その意味でも、直葬を選択するなら、家族の理解は欠かせません。
家族と考えを共有する

 

お別れをしたので心残りは無い

 

「目ざめれば苦しむと思い、「いやいいです」と断る。私たちの望みは、夫が痛みのない、穏やかな日を過ごして、眠る如く逝くことだった。私は、酸素マスクをつけた夫の顔を見ていた。ベッドのそばで妻が夫の手を握り、互いに見つめ合い、夫が「世話になったね」とつぶやいて息を引き取るのは、映画などフィクションの世界。危篤のときに駆けつけても、病人は目を開けないし、口もきけない。話があるなら、もっと前にしておかねばならない。」(P101)

 

「安置所で行う納棺の儀を、私たちは見ずに帰宅した。私も子どもたちも、緩和ケアの個室で、生前に十分に会っているから心残りはない。」(P104-105)


最期の選択は「ドライ」に見えるかもしれませんが、しっかり、生きているうちに「お別れ」をしているからこそ言えることなのだと感じました。

 

これも、ひとつの生き方、逝き方なのだと感じ、胸が熱くなります。(著者は、あくまで淡々と書いています)

 

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